読書) 日本漁業の真実

三陸沿岸といえば、漁業の町です。

山から海へ。キラキラ光る豊かな海。
沿岸に行って、海を見るたびに、無条件で「あ〜しあわせだなあ」という気持ちになります。

どんなに苦しくても、ここで生きていきたいというお話を伺うたびに、なんだかそれ分かるよって思います。

調査でも、漁業、加工、販売と海での生活に携わっている方がたくさんいらっしゃっていて、その他の喫茶店や、美容室や、文房具屋さんや様々なおしごとも、また漁業によって支えられています。


ところが、その漁業の復興がかんばしくない。
それは何故かという事を知りたいのですが、なかなか全体像が見えて来ない、、、という所で、この本に出合いました。


日本漁業の真実 (ちくま新書)

日本漁業の真実 (ちくま新書)

第1章 日本漁業の視座
第2章 過ぎた競争がもたらした矛盾
第3章 海外水域の漁業は今
第4章 資源管理の誤解とその難しさ
第5章 養殖ビジネス、その可能性と限界
第6章 叩かれすぎた漁協とそのあり方
第7章 地域と漁業の今

魚を食べる人が減ったこと、魚が相対的に高価なものになったこと、漁師さんになる人が減っていること、魚をとれる場所が減ったこと、魚自体が減ったこと、大規模マーケットに魚が合わない事、、、ほんとうに、これでもか、これでもか、と課題を突きつけられている。それは三陸だけではなく、日本全体でじわじわと進んでいることなのだそうです。

だけれども、こんなに苦境の中でもばっちりやっている方が僅かながらにいらっしゃるのが希望です。

ただし、このまま放っておけば、日本の漁業の大半は相当なハードランディングを強いられることになりそうです。

ともかく、現状を知り、伝える事がまず第一歩と思います。


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