まず必要なのは寄り添う事です

被災地のインタビューをしています。
そのときに気をつけているのが
「この人は痛みなく思い出せているか」です。
トラウマケアの先生に教えて頂きました。

強い人が強いかと思えば、そうでもなく。
弱い人が弱いかと思えば、そうでもなく。
ひとりの人の中に強さと弱さが束ねられていて、
痛みから回復しているのは、どこなのかを観察していきます。

回復したエピソードはどんどん聞いちゃった方がいいそうです。
阪神淡路大震災の追跡調査でも、辛い思い出を言葉に出来た人はよく回復していて
ずっと我慢して語らないでいた人は、辛い思いを抱えたまま回復がむずかしいそうです。


神戸新聞NEXT|連載・特集|阪神・淡路大震災|震災20年目|震災20年 遺族の4割、心理状態回復せず 本紙調査


回復したエピソードからそっと聞きだしていく。
痛い思い出がゆっくり昇華されていくのを観察する。
だんだん痛くなく思い出せるようになっていく。
あの日の事を語れるようになってくる。
よかった事、楽しかった事を思い出せるようになる。
今を楽しめるようになってくる。
少し先のことが楽しみになってくる。
先々の事が楽しみになってくる。

人の心はだいたいこんなふうに回復していくみたいです。

折れた枝から新芽がのびるみたいです。
無理するとまたポッキリ折れたりします。
やわらかい芽を食べられたりします。
それでも、また枝をのばしています。
伸びた枝がだんだん太くなって、すごく強くなったりします。

枝をのばしている人とお話しすると
強くて深い根っこがあるように感じます。

新芽を折らないように、根っこがふとくなりますように。
それでも折っちゃうかもしれないけれど。
ぜんぜん復興してないとか、絶望的なコメントも多いけれど
あっちこっちからいろんな枝が伸びている。
何回折られても、もうだめだっていってても
芽をだそうとしているのを見ています。


松任谷由実 - 春よ、来い (from「日本の恋と、ユーミンと。」) - YouTube