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復興するまでが災害なんです。

八月最後の土日は日本住宅会議 in 宮古 サマーセミナーでした。
全国各地から住宅についての研究者が集まって被災地の研究成果をシェア、そして地元の方にご登壇頂くという企画。

まさかここまで深い議論がかわされるとは。驚きの3日間でした。


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写真:「こちら岩手ナチュラル百貨店。」 いわての旅:いわて観光/旅行ポータルサイトより


一番は、復興に関わる、だけど対立してしまっている防潮堤や高台移転の話を、同じ場所で聞く事が出来た事かもしれません。
どなたも深い苦悩を抱えながら、ムチャクチャな難題に立ち向かっています。
その事をまず、理解する。理解してみると血も涙もない人はいないし、強欲な吸血鬼もいない。
自己中な住民もいないし、わがままなモンスターもいなかった。

まず理解する、そのプロフェッショナルの場に居れた事に感謝です。

さまざまな事例が紹介されました。
その共通して表れたテーマが「コミュニティ」でした。

ざっくり言うと、コミュニティで納得できた地域は満足度の高い復興ができている。
納得できていない地域は、非常に不満。そして納得できていない地域の方が多い。

どうして納得できない地域の方が多くなってしまったのか。
それは、復興を急ぐあまり、議論を尽くす前に様々な計画にゴーサインを出さざるを得なかったからでした。

典型的なパターンです。3月11日に被災して地域の人達は皆一緒に避難所で生活していました。
大変だったけれど、誰がどんな悩みをもち、どんな希望をもっているかは皆よく分かっていました。
4月からぽつりぽつり仮設住宅への入居がはじまり、8月には皆だいたいどこかの仮設に入居しました。
そして、9月にどんな町にするかを決める復興協議会がはじまります。
ところが皆どこの仮設に入ったかがわからない。抽選でばらばらになった地域は特にそうです。

ようやく仮設に入ってほっとして、自分の生活を再建するのに手一杯で、10年後の事を決めるから来てくださいね、といわれてもピンと来ない方も多かったそうです。
町中にはまだ瓦礫がたくさんで、10mの土盛りをした町の模型を見せられて、賛成か反対かと聞かれて即座に答えられるか、と言われたら難しかったと思います。
だけど、復興をなんとか急ぎたい。仮設住宅にまともに住めるのは2年が限度。逆算すると、もう今日から土盛りを始めないと間に合わないのが目に見えている。
そんな中で、住民のリクエストを最大限に取り入れた結果、今の復興計画になってしまったのだそうです。

ほんとに、数えるほどですが納得出来た地域というのは、どういう所だったか。
ある人は、避難所に皆で一緒に居るときから、名簿を作り、ばらばらになった人達を一軒ずつ根気よく回ったそうです。
ある町は、家が流された人も流されなかった人も、一緒に避難所に集まって、寝食を共にして、その日から町をどうするかを話し合い続けたそうです。
そういう事がなぜできたか。それは普段からずっとそうしていたから出来たと口を揃えて言います。

2日間の最後の〆がまた良かった。
コミュニティの再建が満足度の高い復興に不可欠だと分かった。
ではその支援をしましょうといったときに、あなたは深いレベルでコミュニティを作った事がありますか?参加した事がありますか?
(やばいな、自分、ないかも。)やった事が無い事を支援することはできるだろうか。いま、あなたがいる地域が被災したらどうなるだろうか。
高いレベルで合意を形成し、満足度の高い復興を達成する事はできるだろうか。

やった事ないことを、まず身近なところでやる所から。
意義深い3日間となりました。