里山資本主義ときて・・・マネー資本主義が限界なのでゲームのルールを変えようという提案書と解いた!

昨日のゼミで学生さんたちと一緒にこの本を読みました。

里山の資源を活かしてエコかつ経済的に生きる成功事例をたくさん紹介して。マネー資本主義から世の中みなさんこっち側だよーみたいな。やわい読み方をしていたのですが。

里山資本主義 日本経済は「安心の原理」で動く (角川oneテーマ21)

里山資本主義 日本経済は「安心の原理」で動く (角川oneテーマ21)

著者の藻谷さんから入ると面白い。。。なんたって天下の日本総研主席研究員。マネー資本主義を極めた方です。里山資本主義のちょっと前の記事を読むと、リストラして人件費を減らしても経済が向上しない訳とか、デフレはなぜ起こるのかとか、全国の市町村ぜんぶまわって見てきましたとか、貯蓄の意味が日本は独特なんだとか、そういう事をひたすら考えてきたみたいです。


リフレ論者の主張は「宗教」、金融政策頼みに未来はない-藻谷浩介氏 - Bloomberg


だからたぶん、社会が持続していくということが、利息で生き、元本を豊かにしていく事なんだって事がこの人の真理になっているんじゃないかな。。。ところが、現実には銀行の金利はとっくに低くて、低すぎる。いまさっきゆうちょ銀行の金利をみたら0.035%。1億円あずけて1年で3万5千円。金利で生活しようと思ったら、100億円貯金して、ようやく年収350万円ですって。。。マネー資本主義、おわってます。銀行もほんとうはマイナス金利にしたいくらいなんだけど、できないから、ほんとうはマイナスなんだけど頑張ってあちこち補充しながら0.035%にしている、みたいです。(あっちこっちググってにしらべた結果ですよ^^;)

でもお金はどんどん流れていくものだから、事実上マイナス・・・ということは、どこかに価値が隠れて貯まって、眠っているはず。それは・・・それは・・・里山じゃないか!!?

モノやサービスをお金にかえることで、価値はだんだん目減りする。だからその軸をすこしずらしてみたらどうだろう、という話なんだと思いました。たとえば「里山資本主義」でググると批判的な記事がずらーっと並ぶんだけど、それはあくまで、すべてのモノやサービスをいったんお金に換えなければいけない・・・!という前提の元に語られている。そうじゃなくって、これは。ゲームのルールを変えようぜって話なんだ。

マネー資本主義から見たら里山資本主義は場外乱闘じゃないかってくらい荒っぽい。ちょっと考えただけで、里山が10年くらい飢饉になったらどうするの、地主が里山を売り飛ばしたらどうするの、とか、灯油価格が木質ペレットの価格を下回ったらどうするの(現実にそうなってしまったし)とか、荒い所はたくさんある。


デンデラ (新潮文庫)

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里山飢饉になって大変って話はこちら)


でもお金に変わる資本を流通させてみるのは面白い。マネー資本主義がゼロからマイナスになる世の中で、それに頼らないシステムを作ってみようじゃないか、という提案に一本のってみたいと思いました。