小鎚川の水門、解体。
1月30日(金)大槌町へ出張。
予定していた方とたまたまお会いできなくて、さてどうしようと旧役場前へ向かったら、写真家の伊藤陽子さんとばったりお会いしました。なんと昨日北海道から帰ってきたばかりだそう。(ここに来ると不思議とご縁がつながるのです。)
この日は交通量がやたらと多くてどうしたんだろうと思っていたら、今日から道の切り替えがあってその写真をとりにきたのだそう。
旧役場から新役場を見ると、数メートルもの土盛りがされていて、その上をトラックが走り回ってさらに土を盛っていました。すごい土埃で目がチカチカ、圧迫感。
その反対側にはふつうに何かの建物を建てている。この辺の土盛りはどうなっているんだろう?またすぐ土の下になるのでは?それでも建てている?それともここは低いまま?右と左でぜんぜん違う。不思議な光景でした。
水門の写真を撮りにいく事にしました。小鎚川の水門は高さ6m。りっぱな水門でしたが津波はさらにそれを超えてやってきたのでした。そして今は水門だけがぽつんと残されています。それを壊して新しいものを建てるのだそうです。
水門へ向かって歩いていくと、あんまりにもダンプが行き来していて、土ぼこりがすごくて危ない感じ。この辺は歩くにいい場所だったのにね、と言いながら一旦戻って車にのって水門を目指しました。小鎚川に近づくと水門にかじりついているクレーン車が見えました。橋を渡りながら何枚か写真をとって、向こう側へ。
向こう側は静かでした。津波の時がそのままになっていて。ひょっこりひょうたん島がのんびりしていました。ライオンがほえてるみたいな、ライオン岩でUターン。昔は子供達がたくさん遊びにきていたそうです。
海では、帰ってきたばかりの船がつながれていました。陽子さんのお友達の漁師さんらしい。今日はナマコの口開けだそう。ナマコ食うかあ、もちろんですよー!というと、もってけもってけと袋にいっぱい詰めてくれました。どうやったってとっても食べきれない量です。(でも、もらうとうれしい。なんとかしよう!)
堤防の上を歩いていくと、その突端でちょうど水門の足下からてっぺんまでよく見える場所でした。堤防の高さは6m。そこにがぶり、がぶりとクレーン車が噛み付いては引きちぎり、水門はみるみる小さくなっていきました。おいしいのかい?あまりの光景にぼうぜんとしながら、ただただ見ていました。私たちありえない光景を見ているね、と陽子さんがつぶやきました。
旧役場から水門を見たときは、とても津波がくるなんてシンジラレナイと思いましたが、水門側から旧役場をみると、来るなと思えました。この感覚の違い、覚えておこう・・・。
水門の上の操縦室の一つを壊し終わったところで、クレーン車が一休み。あごがつかれたのかい?時計を見るとちょうどお昼。私たちも帰ろうか。
ほんの一時間ばかりの出来事でしたが、ありえない今を見たという気分です。一人では行こうと思わなかったと思います。ありがとうございました。
P.S
ナマコはお昼に入ったカフェの方と分けました!
たくさんもらって、たくさんわける。うれしさが循環していました^^