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災害で住民を一人も死なせない・・・!国連防災世界会議に行ってきました。その1

週末は仙台で開催の国連防災世界会議に行ってきました。

 第三回となるこの大会、横浜、神戸に続いて日本での開催。しかも世界中で読まれている防災の教科書で非常に重要と位置づけられるビッグイベントです。震災をこうイベントにしてしまうのはどうなのか・・・岩手はまた置いてけぼりなのか・・・というやや引っかかる思いがある一方で、これだけの人たちが災害のない世の中にしようと知恵を絞りに集まってきた、これを見てみたいという気持ちで行ってきました。


仙台の町中は防災一色でした!
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 駅ビル、バス、地下鉄、公園、、、、複数のセッションが同時並行で開催されていて、メインになる会場が4つも5つもある。その他に東北大学やちょっと離れた場所の会場も。これは迷子になるぞーと思ったのですが、町のあちこちに案内所があり、聞きながら目的地に(一時間遅れて)たどり着きました。
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 私が聞きたかったのは、地区防災計画のパブリック・フォーラム。さきの安渡地区をはじめ、マンションや過疎地、都市部とさまざまな地域での防災計画をどう作ったかのフォーラムです。


 この日は11の事例発表がありました。共通して考えていることは、大災害が発生し、最初の1時間、2時間、規模によっては数時間、あるいは数日間は、警察も自衛隊も救急車も来ないということでした。最もシビアな状況を、今、手元にあるモノや力でどのくらい乗り切ることができるか。それを徹底的に考え尽くすということでした。

 その上で、それぞれの想定を持ち寄ると、だれが、どこを、助ける事ができるかが見えてくる瞬間があります。

1)横須賀のソフィアステイシア。都市型マンションの防災計画です。都市生活にありながら、いざという時、災害弱者になりえる方の台帳を作る。防災訓練に子供達をゲーム感覚で参加させる、若い世代にはいざという時力になってもらうとして、引退した方々でチームを作る、いざという時は躊躇なくガラス窓をやぶれるように、防災会でどう保証するかあらかじめ決めておく・・・など画期的な取り組みがなされていました。海沿いにあって、津波の想定がある地域で「災害で住民をひとりも死なせない」ことを決めたんだということでした。
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2)石川県加賀市三木地区の防災会。66年前の福井地震で3769人の犠牲がでたという歴史のある地域です。地震は県境など関係なく発生します。県をまたいで被害が出た場合にどうするか。いざという時、県と県という行政区を超えてスムーズに連携したい。そのために隣接する福井県と合同で防災計画を作成し、訓練実施しているということでした。

北國・富山新聞ホームページ - 石川のニュース


3)静岡県富士市駅南地区のケースでは、9つの区の自主防災会が連携だけでもすごいのに、その上、企業や行政を巻き込んだ防災計画・訓練を実施していました。災害時、膨大な情報をどう整理していくか。電気が途絶えた場合どう情報を整理し伝達していくか。カードに書いて地図上に関連づけてチームで共有する訓練や、物資や人材を整理し緊急度の高い所に送る訓練などがなされていました。この人たちの練度、すごいです。

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4)愛知県知多郡布土の小学校では、子供達による防災マップ作りが行われていました。例えば「車がとおらない細い路地は通学には安全だけど、地震の時には古い壁がくずれてきそう、その時どうする?」といういざという時危険な場所を防災マップに書き込んでいきます。そこから子供ができることは子供が、難しい物は大人が手伝って解決してきます。そうすると地域の大人達が自然に巻き込まれていきます。小学校をハブに学区内の様々な団体と恊働し、地域のコミュニティとのつながりを強化する役割を担っているということでした。

5)香川県高松市二番地区。南海トラフ地震津波が発生した場合、四国の反対側、太平洋側の高知県で大きな被害が想定されます。自分たちの所はそれよりは被害が少ないだろうが被害はでる。自分たちの被害をフォローしつつ、高知を助けにいくにはどうしたらいいか。とことん改善を重ねているということでした。

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6)岩手県大槌町安渡地区のケースは、私自身も前回の防災訓練に参加したものです。あらためて震災前から明治の津波、昭和の津波、太平洋戦争、チリ津波と、災害と復興の歴史の町であること。その上で防災計画も避難訓練も、地元の方はぬるかったというけれど、他から見れば驚く程実践的な訓練を積み重ねてきた事。その上でこれだけの被害がでてしまったこと。今回もまた徹底的に洗い出して、弔い、記録をし、実際に基づいたシナリオを作って、次の世代につなげていくんだと語られました。


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 災害は共助の窓を開くといいますが、防災ー事前に自分や家族や友達の命がたやすく奪われることを想定する事で、縦割りを横断し、必要なリソースをかき集め、呼びかけて巻き込むと、通常であれば無理だと言われる事が、可能になっていくというプロセスが面白いと思いました。

 もう一つの興味深い共通点は、普段から自宅にいる元気のいい引退した方の活躍でした。これまで住んできた町に愛着があり、人脈があり、(ぬれた枯れ葉が元気になった!)そして、若い人は安心して働く事が出来、いざという時はチームに巻き込める準備をしておくということでした。

 たぶん明確な結果がでるのは10年後、20年後のことと思いますが、地区防災がしっかりしている地域は、社会的問題を解決していくサイクルを持つことになるので、住みやすく、健康で、快適で、寿命がのび、日常が楽しくなってくるはずです。その先にある世界はすごくいいものなんじゃないかーと思わず期待してしまう内容でした。

 すばらしいフォーラムをありがとうございました!