災害が起こると人は助け合う。確かにそうだった。
災害におけるパニックの事例を探したくて、この本を読みました。
めちゃくちゃ発見がおおくて、星5個つけたい!と思いました。
- 作者: レベッカ・ソルニット,高月園子
- 出版社/メーカー: 亜紀書房
- 発売日: 2010/12/17
- メディア: 単行本
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=目次=
第1章 ミレニアムの友情:サンフランシスコ地震(ミズパカフェポーリン・ジェイコブソンの喜び ほか)
第2章 ハリファックスからハリウッドへ―大論争(二人のプリンスの物語―ハリファックスの大爆発とその後ロンドン大空襲から ほか)
第3章 カーニバルと革命―メキシコシティ大地震(下からのパワー天命を失って ほか)
第4章 変貌した都市:悲嘆と栄光のニューヨーク(広場での助け合い援助の必要性 ほか)
第5章 ニューオリンズ―コモングラウンドと殺人者(それはどんな違いを生むだろうか?殺人 ほか)
普段の生活では、いろいろ気にして遠慮したり、謙遜したりする人でも、目の前の人に「タスケテー!」と言われたら、何とかしようって必死で考えて行動するものです。
大きな災害ではそれが大規模に起こるので、普段は言わないでいたり、決まり通りに動いていたものが一切合財、目の前の命を助けることにまっしぐらにむかっていく。その時、強力な共同体が結成されるという、、、そうだ、私もあちこちで見てきました。ぷらっと来た変人をよく受け入れてくれたものです。どこにいっても助け合って、力強く、寛容でした。
ところが、ハリウッド映画では、災害が発生すると民衆が暴徒と化してヒーローが華麗にやっつけています。それって本当かな?と災害を過去700件までさかのぼって調べてみたところ、そんな事は一つも起こっていなかったのだそうです。
ところが、テレビやマスコミが現場にくると、映画のストーリーにそった映像を撮って「民衆が暴れています!」「危険です!」と流してしまう。政府も、警察も、軍隊も「民衆は危険だ!」と思い込んで多くの2次被害を生んでしまう。
その最悪のケースとして、第5章のニューオリンズを襲ったハリケーンカトリーナの例が出ています。避難しようとした人を、助けに行こうとした人を、「民衆は危険だから、動いたら撃つ!」と殺してしまう。「民衆はバカだから」と適当な災害復興をして懐をあったかくしてしまう。
災害直後はほとんどの人があきらめて、よそに移って行ったそうです。だけどやっぱり庭でバーベキューをしていたらご近所さんがみんな出てきてくれる、トランペットを吹いて散歩ができる、歌ったり踊ったりできる、そんなのって都会にはなくて。
やっぱりニューオリンズがいいと帰ってきたそうです。そしてあたらしいコミュニティを再構築していく。。。
これ、いろいろ勉強になる本だと思います。